パートナーと過ごす大切な夜にもかかわらず、「痛くて入らない…」「入れると痛い…」という事態に直面したことのある女性は、決して少なくないようです。痛いからやめて、と言うわけにもいかず、膣内の痛みと戦いながら時間が過ぎ去るのを待っていた…、という女性もいることでしょう。
ここでは、よくみられる性交痛のタイプ、性交痛に関する口コミ体験談、および治療による改善の可能性などをご紹介。ご自身の例も振り返りつつ、性交痛に関する理解をより深めていきましょう。
性交痛が起きる原因のひとつに、「ストレス」があるといわれています。女性の場合、ストレスを受けるとホルモンバランスが大きく乱れ、膣の潤滑液が分泌不足となるケースも。このため、うるおいが不足してしまい痛みに繋がります。
この場合は、まずはホルモンバランスの乱れを引き起こしている原因を突き止めることが大切。例えばストレスや睡眠不足の解消など、できるところからはじめてみると良いでしょう。
性的な興奮が高まることにより、膣の潤滑液が分泌されます。そのため、前戯が不十分のまま挿入すると痛みを感じてしまいます。そのほか、緊張や不安を感じている場合に集中できず、うるおい不足に繋がってしまうケースもあります。
この場合、パートナーとまず話をしてみることが大切といえるでしょう。自分の気持ちと状態を正直に打ち明けてみて、気持ちの負担などを和らげると解決につながる場合もあります。
出産後のホルモンバランスは、通常時と大きく異なるという特徴があります。そのため、膣潤滑液の分泌が減るなどの影響が起きる場合があります。さらに、出産時に会陰切開を行うことがありますが、その痛みや会陰が切れてしまうのではないか、といった不安を持ってしまうケースも少なくないといわれています。
このようなケースの場合も、パートナーとしっかりと話し合うことが大切。あまり焦らない、という点も大切です。
更年期もうるおい不足の原因のひとつとなります。更年期を迎えると、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が減少して膣や周辺部分のハリ・弾力が失われるという症状も見られます。これらに伴い皮膚や粘膜も薄くなってしまい、うるおいも失われてしまうことで性交痛に繋がってしまうのです。
更年期によるうるおい不足の場合は、潤滑ゼリーなどのアイテムを使用するという方法もあります。
性交痛が起きる原因として、何らかの疾患が原因となっているケースも。例えば子宮内膜症や子宮筋腫、クラミジア感染症やカンジダ外陰膣炎といったものが考えられますので、気になっている場合はクリニックで受診することをおすすめします。
上記に挙げた以外にも、性交痛が起きる原因にはさまざまなものが関係しています。例えば2人の関係性や妊娠、性感染症への不安がある、心身のトラブルがうるおいを十分に得られない原因になる場合も。このような場合は、まずはパートナーと話し合ってみることで、解決への第一歩を踏み出せる場合もあります。
ここまで性交痛を引き起こす原因を紹介してきました。人によって性交痛の原因は異なりますので、自分の場合は何が原因となっているのかを焦らずにゆっくりと考えてみると良いでしょう。自分の体に目を向けてみるのも大切なことです。
原因はさまざまなものがありますが、性交痛は3つのタイプに分けられますので、自分がどのタイプに当てはまるかを知っておきましょう。次の項からご紹介します。
性交痛の症状には、主に次の3つのタイプがあります。どれか1つだけの症状を自覚する人もいれば、複数の症状を併発する人も。あなたの自覚症状も、きっと以下のいずれかとなるでしょう。
十分に濡れていないとき、無理な体位をとろうとしたとき、外陰部や膣の筋肉が弛緩しないときなどに、無理にペニスを挿入しようとすると、膣の入り口が痛むことがあります。病気以外の原因であることがほとんどです。
入り口が濡れているのに中が十分に濡れていない場合、膣が狭い場合、男性のペニスが大きい場合、コンドームの素材によってアレルギー反応が起こった場合などには、挿入後、膣内に痛みを感じることがあります。
後背位などの体位のとき、ペニスで奥まで突くような動きをしたとき、男性の腰の動きが荒々しいとき、婦人科・内科・泌尿器科・外科系の病気を患っているときなどには、膣の奥のほうに痛みを感じることがあります。
潤滑剤を使用することで、性交痛を緩和させられる可能性があります。潤滑剤には大きく分けて3種類があるので、それぞれの特徴を抑えた上で適切なタイプの潤滑剤を選びましょう。
1種類目がウォーターベースの潤滑剤。水分量が多く、サラサラとした肌なじみの良いタイプです。時間とともに水分が蒸発するため、性交痛が気になり始めたら継ぎ足して使いましょう。
2種類目がシリコンベースの潤滑剤。ウォーターベースより乾きにくいので、性交痛にお悩みの方には適したタイプの潤滑剤となります。途中で継ぎ足す必要はほとんどないでしょう。
3種類目がオイルベースの潤滑剤。ぬるぬるとした独特の感覚が特徴で、ウォーターベースやシリコンベースとは異なる刺激を求める方におすすめです。乾きにくいので性交痛への対策にも有効。
膣の筋肉内の循環血液量が減少した時、結果として膣に運ばれる水分も少なくなり、濡れにくくなって性交痛を生じることがあります。膣に十分な血液を送り込むためには、膣の筋肉のトレーニング(いわゆる膣トレ)が有効。IラインやOラインを締めるなど、座りながら簡単にできるエクササイズもあるので、日頃から意識して膣の筋肉を鍛えてみましょう。
また、精神的なストレスや緊張も濡れにくくなる原因の一つ。好きな音楽をかけたり好きな香りを嗅いだり、パートナーとマッサージをし合ったり、ゆっくりと深呼吸をしたりなどし、十分に心がリラックスした状態で性交に臨んでみると良いでしょう。
性交痛の原因が何らかの病気等の場合には、適切な薬などで病気等を治療することで性交痛が解消する可能性もあります。
例えば、子宮内膜症や膣炎、クラミジア感染症などは、性交痛を伴うことのある典型的な病気。薬物療法などで症状を完治させれば、性交痛が軽減する可能性もあるでしょう。また、子宮筋腫や卵巣腫瘍が性交痛の原因となっている場合、薬物療法ではなく外科的な治療が選択されるかもしれません。
病気とは異なりますが、更年期による女性ホルモンの分泌量減少が性交痛の原因となっている場合には、膣錠やエストロゲンクリームなどによる「ホルモン補充療法」で性交痛の症状が改善することもあります。
自覚できない体質の問題が性交痛につながっていることもあるため、性交痛のある方は、その原因を特定するため一度病院を受診するようおすすめします。
性に関する幅広い悩みに対応しているセックスセラピーやセックスカウンセリング。「性交痛に対して何からどう対処してよいのか分からない」という方は、これらセックスセラピーやセックスカウンセリングの利用も検討してみましょう。
ちなみに、セックスセラピーとは性に関する悩みの具体的な解消を目指すサービス(医療的な処置も含む)で、セックスカウンセリングとは性に関する相談に対応するサービス(治療等は行わない)。日本性科学会では、一定の条件を満たした前者の専門家に対して「セックス・セラピスト」、一定の条件を満たした後者の専門家に対して「セックス・カウンセラー」の資格を付与しています。
なお、「セックス・セラピスト」は相談者に対して直接的な治療を行うこともあるため、医師や臨床心理士、看護師、助産師などの有資格者であることが一般的です。
性交痛の主要な原因の一つは膣の乾きですが、膣が乾いてしまう主要な原因の一つが女性ホルモンの分泌量の減少。加齢によって女性ホルモンは減少傾向となり膣が乾きやすくなるため、何らかの方法により女性ホルモンの減少ペースを抑えて膣の潤滑性維持へとつなげたいものです。
そのための有効な方法の一つが生活習慣の見直し。女性ホルモンのエストロゲンに似た分子構造を持つ大豆イソフラボンを積極的に摂取しつつ、タンパク質や炭水化物、ビタミン、ミネラルなどのバランスが良い食習慣を心がけましょう。
食習慣の見直しに加え、自律神経のバランスを整える運動習慣も大事。ウォーキングや軽いランニング、ヨガなどの有酸素運動、および呼吸法などを通じ、リラックスモードを司る自律神経(副交感神経)を優位な状態に導きましょう。
パートナーとともに性的な満足感を共有するためには、必ずしも挿入を伴う必要があるわけではありません。
たとえば、FTM(女性として出生したものの、男性として生きることを臨むトランスジェンダー)は、パートナーへ挿入はできないものの、特定のグッズを使用することで互いに性的な満足度を共有することが可能。もとよりグッズを使わずとも、パートナーとの深い愛情をベースにしたスキンシップなどが、セックスの代替となることもあります。
仮に性交痛のため挿入が難しかったとしても、挿入ばかりにこだわる必要はありません。セックスには多様な形態があることを理解し、お互いの愛を確認しあうための様々な試みを実践してみてはいかがでしょうか。
あなたと同じく性交痛にお悩みの方々は、具体的にどのような症状を自覚したのでしょうか?また、症状に対してどのように対処したのでしょうか?実際に性交痛に悩んだ方からの口コミ体験談をもとに、以下、事例を3つご紹介します。
長く恋愛に関心がなく、むしろセックスに対して苦手意識を持っていたというAさん。40代になって初めてセックスを経験したものの、初回の痛みだけではなく、その後の行為においても、何度も性交痛を感じたそう。性器ではなく心理面に原因がある、とクリニックで指摘され、医師の指示にしたがって改善策を図りました。
医師からは、自分の体(特に性器)を触る練習をするように、とのアドバイス。加えて、40歳まで処女であったことに劣等感を抱くのではなく、むしろ自分の体を大切にしてきた証拠だからこそ自己肯定感を持つように、との助言をもらいました。
結局、彼氏とは分かれる結果になったものの、それまで抜け出せなかった劣等感が解消。ありのままの自分を肯定的に受け入れられるようになり、毎日を前向きに過ごすことができるようになったそうです。
出産後に夫とのセックスの頻度が減ったというBさん。3ヶ月に1度程度のセックスでは、挿入時に痛みを感じることが多かったと言います。ある日、子宮がん検診を受診したところ子宮筋腫が発覚。これが性交痛を夫に打ち明けるきっかけとなり、二人でセックスの痛みに向き合うようになりました。
医師に相談し、夫とのコミュニケーションをより多くとること、体位や挿入角度を工夫すること、挿入をともなわないセックスを容認することなど、いくつかのアドバイスを受けました。以来、性交痛の悩みを夫に隠すのではなく、逆に夫と共有することで毎向きなセックスライフを目指すことができるようになった、とBさんは語ります。
結婚2年目を迎えたCさん。夫を拒絶しているわけではないのに、セックスをする際には、ひどい性交痛に悩まされていました。そんな折、自分の症状が子宮内膜症の人の性交痛に似ていることをインターネットで発見。病院に相談したところ、予想通りの診断でした。
セックスをする際には、医師から処方してもらった鎮痛剤を内服。それでも性交痛に我慢できない場合や1年以内に妊娠しない場合には、腹腔鏡手術を考えたほうが良いと言われました。医師に相談した後は夫にも相談しやすくなり、かつ夫も理解を示しているそう。自然妊娠を目指し、現在も鎮痛剤の服用を続けています。
性交痛の原因には様々なものがあるため、一概に「症状を緩和させる方法」があるわけではありません。たとえば、加齢や病気が原因の性交痛であれば、医療機関での治療により症状が緩和する可能性があるでしょう。一方、心理的な原因による性交痛であれば、パートナーとの関係性や信頼性の改善、または市販されている潤滑ジェルの使用などにより、解決を試みるしかありません。
ただし、いずれの理由で性交痛が生じているかについては、自分で調べるすべがないことも事実。よって、まずは専門の医師に相談し、自分の性交痛が医療の力で緩和されるタイプかどうかについて調べてもらう必要があるでしょう。
性交痛にお悩みの方は、すぐにでも専門知識を持った信頼できる医師に相談してみることをおすすめします。
※学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術、商品等を推奨しているものではございません。
東京都内の女性器形成専門クリニック!
小陰唇縮小でおすすめの2選